木の香りの無農薬駆除剤で安全、安心施工
地方の独創企業 白蟻百十番・樹木精油でシロアリ駆除

地方の独創企業 白蟻百十番・樹木精油でシロアリ駆除

地方の独創企業 白蟻百十番・樹木精油でシロアリ駆除

安全、低料金で沖縄市場を開拓

1998年に創業した白蟻百十番(那覇市、下地晃彦社長)は薬剤を使わない新しいシロアリ駆除法を開発し、急成長している。実は下地社長は最初からシロアリ駆除を手がけようと思っていたわけではなかった。当初、販売しようと思ったのは松下電器産業の床下用換気扇だった。

駆除業者2社を買収
生まれ育った沖縄は高温多湿。戦後長く米施政下にあったため、床下を高くする琉球様式の伝統建築が廃れ、床が腐る家が増えていた。そこで床下用換気扇の訪 問販売を思いついた。ただやみくもに家庭を回っても非効率と考えた下地社長は、湿気で困っている家を把握する手段として、倒産寸前のシロアリ駆除業者を二 社買収した。

二社の顧客名簿に載っていた家を回り始めると、各戸の建物は換気扇を設置するだけではとても済まない状況にあることが分かった。風通しの悪い家には 必ずシロアリや赤アリが繁殖しているし、そういう家では新建材によるシックハウス被害も少なくなかった。乗りかかった船と事業を継続することにしたが、シ ロアリ駆除はかなり厳しい仕事だった。有機リン系の薬剤をまくと、たちまち頭がくらくらした。「もっと安全な駆除法はないのか」そう思った下地社長は、全 国の大学や研究機関、薬品メーカーを訪ね歩いた。

料金は他社の半値
その結果、ようやく見つけたのが、キセイテック(和歌山県橋本市)が製造するヒノキやヒバの樹木精油だった。防虫。防カビ効果のある精油を床下などに塗布 すると白アリは寄り付かなくなった。精油の原価は今までのシロアリ駆除剤に比べ、半値。駆除作業を他社の坪単価六千円で請負う。県内の主な交差点に横幅十 メートル超の大看板を掲げると、次々と仕事が舞い込んできた。二級建築施工管理技士の資格を持つ下地社長の目標は住宅の総合的な住環境の改善。一度作業し た家は定期点検を怠らない。社内の女性社員がコンピューターで各クルーの作業工程を管理し新規とアフターサービスを効率よく組み合わせている。

研究開発を強化
「学識経験者から白アリの特性を学び、それを業務に生かすための研究に力を注ぐ。」今月初め、下地社長は一億五千万円かけてつくった自社ビルの落成式で、 こう力説した。環境保護運動の高まりに対応して、日本しろあり対策協会は業界で主流のクロルピリホス製剤の使用を来年から自粛するよう呼びかけており、 「安全」だけでは他社との違いを出せなくなるかもしれないからだ。今後、独自の研究開発に一段と力を入れる。

興南高校 ? 日大のボクシング部で活躍。日本がボイコットした80年のモスクワ五輪の幻の代表だった下地社長のモットーは、「他人が十年かかることを三年でやってみせる」こと。九州進出も視野に年中無休で事業拡大に奔走している。(那覇市局長 大石 格)

平成13年9月25日(火曜日)
日経産業新聞(日本経済新聞社)
朝刊(25面掲載)


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